

ハンドルを握り、目指す場所へと車を走らせる時間。
それは、これから出会う美味しいものへの期待を静かに温める、大切な道のりです。
目的地に到着し、駐車場に車を滑り込ませ、エンジンを止める。
ドアを開け、一歩、外の世界へ足を踏み出した一瞬の景色。
その一瞬の景色で、「ああ、良い場所だな」と感じさせてくれるお店があります。
今日は、山口の風景にそっと溶け込む隠れ家のような一軒のご紹介です。

ご覧ください、この素晴らしくのどかな駐車場風景を。
静かに、そして丁寧に作られた畑の佇まいも心を温めてくれます。

傍には秋の代表的な花のひとつ、コスモスも高らかに咲き、その奥には穂を携えたパンパスグラスも。

こんなにも自然を感じさせてくれる駐車場ですが、当のお店はいったいどんな風貌をしているのでしょうか。

いや繁りすぎて、森〜〜ッ
\\詰まってる!密度がハンパねえ!グリーンマッスル!💪//
\\デカい!厚い!山がそびえとるぞ!💪💪//

感動のあまり、心の中でボディービル大会が始まってしまい失礼いたしました。
今回のご紹介は『手打ちそばと旬菜の店 ひろ』さん。
亭主さんが開店前に打った新鮮な二八蕎麦をご提供されています。
丸大豆醤油ベースのつゆや自家製のみりんなど、手作りにこだわったお店だそうです。
蕎麦のほかにも、旬の食材を使った『旬替り定食』も人気とのこと。
それではさっそくお邪魔(入山)してみましょう。

外観も素敵ですが、木漏れ日に優しく包まれるようなお店の中も、なんとも言えない安心感があります。

そんな空間でいただくのは、モリンガのほうじ茶に限りますよね(初飲)。
こちらのほうじ茶、ほんのり甘みがあり、どこかそばにも似た味わい。
山口銘菓の外郎と一緒にいただくのも良さそうです。

『旬替り定食』も悩みましたが、やはり初めての注文ということもあり、冷たいざるそばを注文してみました。
ざるそばというと、その名の通りざるに乗って出てくるイメージがあったのですが、こちらのお店ではキンキンに冷えた陶器でいただくよう。
これもまた情緒があって良いですね。

このざっくりとした金継ぎも肩肘はらない印象でありがたいです。
器の一つひとつを愛でながら、打ち立ての新鮮なめらかなおそばをいただく、これぞ最高の休日。

ちゃっかり頼んだ塩麹漬けのとり天。
さくさくの衣に包まれたほくほくのとり肉。
塩麹が良い仕事してる。
次来店した時も絶対に注文する、そう決心するほどのお味でした。

完食。

ごちそうさまでした。

駐車場とそばを堪能した帰りに瀬戸内の『キワ・ラ・ビーチ』に立ち寄ってみました。
かつては潮干狩りや海水浴で多くの人々が訪れたこちらのビーチも、今では少しだけ静かな場所に。
時にはそんな静かなビーチを訪れ、青葉市子でも聴きながら物思いにふけたいものです。
今年も残すところ二ヶ月。急な冷え込みで体調を崩されませんよう、どうかお健やかに──
[手打ちそばと旬菜の店 ひろ]
住所|〒754-0894 山口県山口市佐山1338-2

デザイナー。"西の秘境"山口生まれ山口育ち。中学の同級生は僕以外全員ヤンキー(田舎の宿命)。山口の『Good and New』や、デザインに関するあれこれを共有していければと思います。
REC.